ブログをご覧頂き有難うございます。
ルイヴィトンの根革交換修理を
ご紹介させていただきます。
ショルダーやハンドルと本体の接続部分は、
『根革』と言います。
負荷が掛かりやすく切れやすい部分になります。
モノグラムやダミエシリーズの素材は『トアル地』
といいまして、『ルイヴィトンオリジナル』の
とても丈夫な素材で劣化しにくいですが、
パーツとして使用されているヌメ革は
デリケートな革なので、トアル地より先に
劣化が始まります。
劣化した『根革』の切れた事例です。
時系列で工程をご紹介します!
構造によりますが、「ジプシエール」は
フラップから本体背面に「ふち革」が
あるので、縫製を解いていきます。
ヌメ革は経年劣化で硬化してくるので、
負荷が掛かると、ひび割れや切れるが出るため、
慎重に縫い糸を解いていきます。
経年劣化でモノグラムや内部の素材が
弱っている場合もあるので、劣化が見られる場合、
何らかの補強が必要な場合がございますが、
『ふち革』を上から縫い付けるので、
補強してもその部分を隠すことができるので、
違和感なく仕上げることが可能です!
途中経過を見ると、ボロボロのバッグのように
見えますが、再縫製で生まれ変わります。
使用するヌメ革は、交換しても
バランスがとれるよう、エイジングしたヌメ革を
使用して、取り外した「根革」の形状にカットします。
ここから、縫い目の穴、ラインを入れコバ加工をして
『ルイヴィトンらしく』仕上げていきます。
縫い穴とふち周りのラインを入れ、
元のハンドルやショルダーに取付します。
ステッチが無いと少しさみしい感じですが、
形になってきました!
専用のミシンを用いて手縫い感覚で、
『一針一針』丁寧に縫い付けていきます。
この後、リベットを取付します。
取り外したルイヴィトンのロゴがあるリベットは、
接続部分を加工することで、再利用が可能です。
しかしながら、再利用をご希望の場合、
別途費用が掛かります。
こだわりが無ければ、ロゴの無い類似のリベットを
取付させていただいておりますので、
ご予算に応じてお選びいただけたらと思います!
ご紹介の「ジプシエール」は、
ロゴは気にならないとのことで、
類似の刻印の無い、リベットを打ち込みます。
刻印を再利用した「アマゾン」の事例です。
最後に取り外したふち周りのヌメ革を
元の針穴に併せ再縫製していきます。
古くなったヌメ革は、脆くなっているので
ボロボロにならないよう、慎重に再縫製していきます。
※ジプシエールは、劣化状態によりふち革の交換も必要になるケースがございます。
ルイヴィトンのヌメ革は、新品の時は、
白に近いアイボリー系の色をしています。
部分交換の場合、白っぽいヌメ革で交換すると
交換した部分が浮いてしまい、
不自然な仕上がりになります。
エイジングしたヌメ革を使用しているので、
部分交換でも違和感が出にくいと思います。
※全体の焼け具合により多少の差は出ますが、
ヌメ革は経年変化するので、馴染んできます。
その他のシリーズ事例です。
『その他、シリーズの根革交換事例』
ルイヴィトンらしさを損なわないよう、
いかにも交換した仕上りにならないよう、
最善を尽くしております。
ブランド専門の修復職人集団を
目指して!
安心して修理をお任せいただけるよう
職人の育成に全力投球しています!
大切なブランド品を安心して
ご依頼いただけるよう革修復どっとコムでは、
職人の育成を重要課題として取り組んでいます。
エルメスをはじめ、シャネルやルイヴィトンなど
高価なお品物を修理でお預かりする上で、
お客様に安心していただくには?
やはり経験値の高い職人にお願いしたいと思います。
しかし、お客様の大切なお品物で経験値の浅いものに
練習をさせる訳にはいきません。
そこで、考えたのが傷んだルイヴィトンなど、
ブランド品を安く仕入れて練習に当て、
経験を積ませております。
お客様の立場で考えれば、大切なブランド品を、
私も安心できる職人に任せたい!
私が安心して任せられる職人であれば、
お客様も安心できると考えております。
職人に少しでも早く多くの経験を積ませる取り組みです。
「もったいない」と思う心は、日本人の文化です。
ましてや、ブランド品の修理ならなおさらです。
詳しくは、「革職」にてご紹介しています。
職人育成の取り組みを是非、
ご覧頂けましたら幸いです。
お陰様で!
気兼ねなく練習できることで、
新人職人が着々と腕を上げております!
そして、商品をアップして、
早い段階でご購入頂いております。
ご協力いただいた皆様に、
心より感謝申し上げますとともに、
売上金は、次の育成に役立ててまいります。