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バーキン・オーストリッチレザーの
メンテナンスをご紹介します。
オーストリッチは、染料を用いて色調します。
革のシワ感である凹凸のボリューム感が、
ご使用により、少しずつ無くなってきます。
顔料を用いると凹部分の溝に顔料が
乗る感じになりシワ感が無くなり、
不自然な仕上りになってしまいます。
溝が埋まらないように意識した染め直しになります。
今回、ご依頼頂いたバーキンは、両側面の変色です。
レザーにストレスを与えない範囲で、
クレンジング(クリーニング)で表面の汚れを落とし
必要に応じて補色、艶感を調整します。
レザーのバインダー層(※1)に染料を馴染ませることで
違和感なくナチュラルに仕上げることが可能です。
【before】
【after】
斑点模様をクィルマークと言います。
クィルマークも正面と同じ様に修復致しました!
【before】
【after】
当店のメンテナンス方法と取り組みですが、
水に漬け込んだり、丸洗いするといったクリーニングではなく
お肌と同じ様に「クレンジング」の観点でメンテナンス、
色褪せや擦れ、浸透して落としきれないシミは、美容整形の観点で
研究を重ねてきました!
同じ商品でも状態は、軽い色褪せであったり、しっかり色褪せしていたり
変色など、それぞれに状態が、全く違います。
バッグやお財布は、構造が複雑で、レザーだけでなく、
合成素材やキャンパス、内部に芯材が入っていたり、
ステッチの縫い方やコーティング加工など、
お打合せ項目が、多くなってしまう場合がございます。
クリーニングと言った一括りのご案内ができず、
状態や構造、素材により、何度かやりとりが必要になります。
一つ一つの状態に応じて適切な工程と仕上り感をご案内させて頂きます。
その後、お打合せの上、正式に受け賜わる流れになります。
※1バインダーとは
レザーが製品化される前の段階で、色付けをする際に、加工される
層になります。
なめしたレザーをそのまま製品化することが出来ないので、
色があるレザーには、柔らかいラムレザーから全てのレザーに
必ずある層になります。
バインダー層はレザーの表面を綺麗に整える役割と色付けに重要な層です。
部分的な浅い角擦れなどは、バインダー層が残っているので顔料と水で
綺麗になりますが、全体的に色褪せていたり焼けや変色がある場合、
バインダー層からメンテナンスして、レザーの表皮を整えることで、
レザーの質感や風合いを再現できます。