
長らくヴィルジニー・ヴィアールが
率いてきたクリエイションから
新たにマチュー・ブレイジー氏が
アーティスティック・ディレクターに
就任することが発表され
シャネルという時代のブランドが
また新しい章に入ろうとしています。
そしてもうひとつ
多くの方が驚かれたのが
2026年に入ってからの
度重なる価格改定
1月には約8%
その後もサイレントで
見直しが続き
あの憧れのマトラッセも
今では以前とはまるで違う
価格帯になってしまいました。
「昔のシャネルは
もう手に入らないのかもしれない」
そんな声を
最近本当によく耳にします。
だからこそ今
あらためて感じるのが今
手元にある一点の重みです。
憧れていたマトラッセ
節目のご褒美として
思いきって選んだあの日の
マトラッセ。
お母さまから受け継いだ
少し使い込まれたマトラッセ
同じ形でも、そこに宿る時間は
ひとつずつ違います。
そして、その時間はもう二度と
同じ値段では買えないもの
今回ご紹介するのは
そんなシャネルのマトラッセ
チェーンバッグの修復事例です。
ビフォー

アフター

長くご愛用いただいてきたバッグは
ぱっと見ではまだきれいでも
少しずつ、いろいろな変化が
重なっていくものです。
お預かりしたバッグの状態は
こんな様子でした。
全体的に黒ずみによるくすみが出て
色に元気がなくなっている
過去に塗装のお直しが
されていたようで
表面に少し不自然な
テカリが残っている
内側に油性ペンでサインが
書き込まれてしまっている
そして全体にシワ寄りのような型崩れ
どれも、長く大切に使って
こられたからこそ生まれた変化です。
でも、この状態のままでは
シャネルらしいあの静かな
上品さが、少し曇って見えてしまうため
まずは、余分なものを外して
あげるところから
はじめの工程は、塗装の除去と
クレンジングです。
ビフォー

アフター

以前施されていた塗装の膜と
長年のうちに積み重なった
汚れをやさしく落としていきます。
お化粧をきちんとオフして
素肌の状態を整えるような
イメージです。
ここを丁寧にやらないと
上からどんなにきれいに整えても
どうしても不自然な仕上がりに
なってしまいます。
いきなり色を入れるのではなく
まず本来の革の顔を
もう一度出してあげるところから
始めていきます。
崩れかけたラインを、静かに整える
続いて、形補正です。
シワや型崩れは、無理に押し込んで
作り直すものではありません。
革の様子を見ながら
必要なうるおいと柔らかさを与え
本来のフォルムに近づけていく
イメージで整えていきます。
“もともとの色”に戻す、補色の工程
そのうえで、
色が抜けてしまった部分に
周りとなじむように
補色を施します。
革は、表面だけの色ではなく
いくつかの層が重なって
あの深い色を作っています。
革を鞣す段階と同じ方法
同じ考え方で
色をなじませていきます。
ビフォー

アフター

そして最後に
トップコートという薄い保護の層を
加工します。
これは色止めの役割もあり
革の表面をやさしく守ってくれる
「見えない一枚の膜」のようなものです。
内側のサインは、できる範囲で
内側に入ってしまっていた
油性ペンのサインは
残念ながら完全に元通りにする
というものではありません。
油性ペンは
革の中まで入り込んで
しまっているため
ゼロにするのは難しいのが
正直なところです。
それでも、できる範囲で
インクを抜き取り表面と
同じように加工を施しました。
以前ほど目立たない
落ち着いた状態にまで
整えることができています。
ビフォー

アフター

こうして仕上がったマトラッセは、
くすみが取れ、テカリのない艶が戻り
フォルムもすっきりとした佇まいに
派手な仕上がりではなく
もともとこの子が持っていた
美しさを、そっと呼び戻すようなに
概ね、見栄えよく整ったかと思います。
お問い合わせは、
ほんの一言からで大丈夫です
「これって、直せるのかしら?」
「昔のものだけど、相談してもいい?」
「くすみだけでも、少し落とせるものなの?」
そんな
ふとした一言からで
まったく構いません。
革修復どっとコムでは、
まずは写真を送るだけの
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そのうえで「実際に見てみたい」
という段階になれば
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