トアルアッシュとレザーコンビのジジェに生じる黄ばみは、時間とともにゆっくりと姿を現します。
最初は透明なシミとして現れ、気づかれないまま生地の奥に潜み、やがて酸化によって黄ばみへと変化していくのです。
これはまるで、切ったリンゴを放置すると徐々に色が変わっていく現象とよく似ています。
自然の摂理のように、素材も時間の流れに影響されるのです。
この黄ばみに対して、革修復どっとコムでは生地を傷めず、内部に残留性のないホワイトニング剤を調整しながら、慎重に薄くしていく方法でしみ抜きをしています。
トアルアッシュのホワイトニングは、研修用に仕入れた商品を使って何度もテストを重ね、失敗と成功を繰り返しながら、ようやく問題の出ないしみ抜き剤の調整に至っています。
とてもシンプルでマニュアルもできています。
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薄く残る部分もございますが、生地を傷めたり生地の内部に残留性のないホワイトニング剤を調整して、黄ばみを薄くしていきます。
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古物市場には、黄ばんだキャンバスバッグが数多く出回っており、それらを活用することで、修復士たちに早い段階で実践的なスキルを身につけさせることが可能になっています。
もちろん、失敗も数えきれないほど経験してきました。
誰かがSNSで「失敗は、経験という成功」と発信していたのを見て、私たちもその言葉に励まされ、前向きに気持ちを切り替えて予算を組むようになりました。
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練習用に仕入れた商品が少しでも金額になれば、気持ち的には楽になりますが、たとえ利益が出なくても構いません。
マイナス分は、研究開発費として捉えています。これからも、色褪せやしみのあるリユース品を予算の範囲内で増やしながら、育成費として活用していきたいと考えています。
現在は、主に古物市場で練習後の商品を販売していますが、商品をオークション会場へ送る際には、専門家による厳しい検品が行われます。
古物市場の検品は、プロを相手にしているため、非常に高い基準が求められます。
不自然な仕上がりでは出品すらできず、仮に出品できたとしても買い手がつかず、値がつかないこともあります。
この厳しい検品を何度もクリアし、オークションで値がついたときの喜びは格別です。その瞬間こそが、修復士としての成長を実感できる瞬間であり、革修復どっとコムの修復士として認定されるための大切な通過点でもあります。
実際には赤字販売が多いのですが、それでもいいんです。
この経験こそが、未来の技術と信頼につながっていくと考えています。
利益が出た時だけ、YouTubeで紹介しているので、よかったら見てやってください!
リユース品を活用したリペア教室です。








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