ブログを見て頂き有難うございます!
マトラッセチェーンバッグのご紹介です。
【before】
【after】
全体的に黄ばみや黒ずみが見られました。
淡い色合いのカラーは、
どうしても避けられない状態になります。
保管前は、汚れは酷くないのですが、
目に見えない汚れが、保管中に酸化して
黄ばみが出てきます。
リンゴを切って時間が経つと、
黄色くなりますが、
あの状態がになります。
洋服など生地であれば、溶液に漬け込んで
洗浄すれば、黄ばみは問題なく除去できます。
しかし、製品化されたバッグや財布など
レザー製品はその様な訳にはいきません。
クレンジング(クリーニング)で
表面の汚れを落とし、バインダー層(※1)の
黄ばみをレザーにストレスを与えない範囲で
抜き取り、バインダーに馴染むように
補色、艶感の調整を施すことで、
見栄えよくナチュラルに仕上がります。
【before】
【after】
当店のメンテナンス方法と取り組みですが、
水に漬け込んだり、丸洗いするといった
クリーニング屋さん的なクリーニングではなく、
お肌と同じ様に「クレンジング」の観点で、
色褪せや擦れ、浸透して落としきれないシミは、
美容整形の観点で研究を重ねてきました!
同じ商品でも状態は、軽い色褪せであったり、
しっかり色褪せしていたり変色など、
それぞれに状態や元々の染め方も様々です。
バッグやお財布は、構造が複雑で、
レザーだけでなく、合成素材やキャンパス、
内部に芯材が入っていたり、ステッチの
縫い方やコーティング加工など、打合せ項目が、
多くなってしまう場合がございます。
クリーニングと言った一括りのご案内ができず、
状態や構造、素材により、何度か
やりとりが必要になります。
一つ一つの状態に応じて適切な工程と仕上り感を
ご案内させて頂きます。
その後、お打合せの上、
正式に受け賜わる流れになります。
※1バインダーとは
レザーが製品化される前の段階で、
色付けをする際に、加工される層になります。
なめしたレザー(※2)をそのまま
製品化することが出来ないので、
色があるレザーには、柔らかいラムレザーから
全てのレザーに必ずある層になります。
バインダー層はレザーの表面を綺麗に整える
役割と色付けに重要な層です。
部分的な浅い角擦れなどは、バインダー層が
残っているので顔料と水で綺麗になりますが、
全体的に色褪せていたり焼けや変色がある場合、
バインダー層からメンテナンスして、
レザーの表皮を整えることで、
レザーの質感や風合いを再現できます。
※2なめしたレザー
嫌な話になりますが、動物から
剥いだ状態の革には、体毛などの
付着物があります。
なめすとは、簡単に言うとクリーニングして
付着物を取り除く工程になります。
その後、バインダー層を加工して、
着色や染めを施し、艶感を調整して色止めされて
製品化され、バッグや財布になります。