ブログをご覧頂き有難うございます。
エルメスドゴンのメンテナンスを
ご紹介させて頂きます。
ベルトのひび割れや、
表面が削り取られた感じの傷は
痕が残りますが、見栄えよく仕上がります。
【before】
【after】
ひび割れが残ることを懸念される場合、
類似の主臨機レザーで製作して
交換することも可能ですが、
お打合せの上、オリジナルを活かしたいとの
ご要望から、メンテナンスをさせて頂きました。
ベルト部分は負荷が掛かる場所なので、
割れを塞ぐと一時は綺麗なのですが、
直ぐに割れが生じてくるので、
あえて、ひび割れを残して、
見た目とのバランスを見ながら、
メンテナンスを指させて頂きます。
ドゴンは、内部も本革です。
表面はシュリンクレザー
内側面は、スムースレザーです。
シボ間が全く違います1
【before】
【after】
シボの深さでメンテナンスとして
違う点は、刷毛の使い方です!
エンボスの立体感を出したいなど、
お化粧やアートと同じ感覚です!
刷毛の使い方
①刷ける
②刺す
③注す
ウールや綿などの色補正は、何番でしょう?
正解は②番です。
生地の繊維に刺し込む感じで色補正が必要です。
クリーニング店のしみ抜きが得意で上手な所は、
色補正を上手く活用しています。
業界で名だたる職人は、刺すのが上手いです。
わたしも20代のころ、「不入流」という
しみ抜き学校に2年間、通いしみ抜きの
勉強をさせて頂いたことがあり、
単独研修で、毎月、約4年間、
福井へ来て頂いたこともあります。
「不入流」しみ抜きは、繊維のしみ抜きや
色補正の技術を、薬品の使い方も含め
論理的に判り易く教えてくれます。
レザーの補色や染め直しとは少し違うのですが、
今でも、その理論は、活用できています!
レザーの刷毛使いは、繊維とは違うので、
エンボス感、状態、レザーの構成で使い分けが必要になります。