ブログを見て頂きまして有難うございます。
ベアンのメンテナンスをご紹介させて
頂きます。
縫い目でレザーが裂けた状態でした。
裂け目が縫い目に重なるため、
痕を残さず形成が出来ました!
裂け目や傷がある場合、クレンジング、
補色前に形成を施します。
形成して違和感が残りそうな傷は、
無理をしないで出来る範囲での
対応となります。
形成後、全体的に補色して、
艶感を調整します。
【before】
【after】
画像を拡大して見て頂くと、
お解りかと存じますが、
極端に色あせした部分やシミなど
透けた感じで薄く残ります。
これを無理に隠すと、革シボの溝が
無くなります。
顔料の濃度が濃すぎると、
後に割れが生じてくるため、
ご使用いただくことも考え、
見た目とナチュラル感のバランスを
見ながら、メンテナンスをさせて頂いております。
【before】
【after】
ふち周りのコーティングの
再加工を施しますと、見た目が
引き締まります!
お財布やバッグに使用される
コーティングは、コバ剤として、
何社かの加工剤を使ってみましたが、
どれも納得が出来る仕上がりにならないので、
加工剤を作るプロに特注で配合して頂いております。
何度も何度も微調整を繰り返して頂き、
コバ剤も、精度が上がってきました!
どんなに腕が良くても、加工剤が良くないと、
ダメですね!
逆に加工剤が良くでも、腕が悪いのも同じです。
修復品の完成度を計算で例えるなら、
足し算的な面もありますが、
基本、掛け算だと思います!
一人がどんどん、足して大きくしても、
一人が、マイナスだと、
全てマイナスになるみたいな感じです。
お互いを尊重し、理解し合うことで、
完成度やスキルが掛け算のように
上がってくるのではと思います!
【before】
【after】