シャネルといえば、世界にも名高いトップブランドの1つですよね。
シャネルの商品は「古い価値観にとらわれない自由で自立した女性像」というシャネルのブランドポリシーの通り、自立した働く女性の気品と気高さがデザインに表れています。
そんなシャネルのバッグやお財布ですから、常に良い状態を保っておきたいですよね。
そんな方のために、シャネルのメンテナンスや修理について、まとめましたので、ご確認ください。
この記事の目次
シャネルの修理やメンテナンスを出そうと考えたとき、どこに出せばいいのか、と悩んでいる方も多いのではないでしょうか?
シャネルの修理を依頼できるところには、シャネルの正規店と革製品の修理ができる一般的な修理店の2つがあります。
それぞれにメリットデメリットがあります。
シャネルは本物であれば、正規店での修理を受けることができます。
シャネルのすばらしいところは並行輸入品や正規代理店以外で購入した商品でも、中古品でも、どこで購入したか関係なく、本物であれば修理を受けてくれます。
他のハイブランドの場合、正規取扱店での購入以外は認めないところも多いので、嬉しいですよね。
また、購入してあまり日が経っていないものであれば、破損の程度にもよりますが、無料で修理を受け付けてくれることもあります。
ブランド品の修理と聞くと、正規店や修理センターへ直接持って行かないと修理してもらえないと考えている方もいるかもしれませんが、シャネルの場合は、購入したブティックや百貨店でも修理の受付窓口として、商品を預かってくれることがあるので、一度確認をしてみると良いでしょう。
また、どちらも近くに無いという方でも、シャネルではインターネットやお電話でも、修理のご依頼が可能です。
一般的な修理店とは、カバンやバッグなどの修理を請け負っているお店のことをいいます。
素材や商品にもよりますが、革製品であれば、革製品の修理を専門で行っている修理店へ修理を依頼するのが良いでしょう。
一般的な修理店には実店舗型とネットで依頼を受けているネット型の2種類があります。
店舗によって出来る修理やメンテナンスに差がありますので、自分の依頼したい修理が可能か、事前に確認する必要があります。
シャネル自体でメンテナンスや修理を行ってもらえるので、修理店へ修理やメンテナンスを依頼することはあまりないかもしれません。
しかし、次のような場合にはシャネルでの修理を受けられない場合があります。
そういったケースでは、一般的な修理店へ相談するのが良いでしょう。
程度や箇所にもよりますが、破損がひどい場合にはシャネルでの修理を受けられないことがあります。
シャネルでの修理は、一般的にパーツの交換やお磨きといったメンテナンスがほとんどになります。
そのため、革の破れやキズ、色あせ、シミなどの破損が多かったりひどい状態の場合は修理を受けてもらえないことがあります。
特に、日焼けや色あせなどは破れや傷が無いので、軽めに見えるかもしれませんが、革から色そのものが抜けてしまっていたり、革に色が染みこんでしまっていたりするため、見た目よりも深刻な場合が多いんです。
日焼けや色あせまではシャネル自体でも対応してもらえない場合が多くあります。
仮に修理が難しい修理をシャネルで受けてもらえても、高額の修理費用がかかったり、シャネルの本店へ送られ、
1年以上帰ってこないということも発生します。
シャネルのようなハイブランドの商品の場合、代々受け継がれているアイテムもあると思います。
また、オークションや中古ショップ、フリマアプリなどで、古いシャネルを購入される方もいるかと思います。
購入したあとで、確認してみると傷があったり、留め具が外れていたりなんてこともありますよね?
もちろん、シャネルでは、こういったアイテムの修理も受けてくれます。
ただ、こういった古いアイテムの場合、シャネルに修理用のパーツの在庫が無く、修理ができないというケースがあります。
また、ラムスキンなどは昔の方が素材が良い場合が多く、直せたとしても価値が下がることがあるので、注意が必要です。
シャネルでは自社の商品のブランド価値や品質を守るために、自社の修理センターでの修理以外での修理を認めていません。
そのため、過去にシャネル以外で修理を行っている商品の場合、たとえ本物でもシャネルでは修理を行ってもらえません。
シャネルのブランド価値の維持のためにも、今後のシャネルからのサポートのことも考えると、シャネルに修理を依頼することが一番良いと思います。
しかし、上記のような理由からシャネルに修理に出したくても断られてしまったり、望む修理が行えなかったりで、シャネルでの修理をあきらめなければならないこともあります。
そんなときの最後の砦が、修理店です!
一般の修理店では、一度シャネルで修理不可で、断られた修理でも修理を行えるケースが多く、バッグや財布をきれいな状態にお直しすることが可能です。
ブランド価値という面では、シャネルのサポートを受けられなくなってしまうので、怪訝する方もいると思いますが、大切な方から頂いたものや、大切に大切に使っていたものが壊れ、シャネルに修理を断られてしまったからといってそのまま放置したり、捨ててしまうのはもったいないですし、心苦しいですよね?
そんな時は、ぜひ修理店を利用してみてください!
一般的な修理店に出すときに不安なのが、修理の質や修理の内容ですよね?
一般的な修理店は、修理を専門としているためシャネルの修理センターよりも多くの事案に対応してくれることが多いのが特徴です。
主に、一般的な修理店で行えるシャネルの修理は以下の通りです。
修理の質や修理の内容については修理店ごとに違いがあるため一概には申し上げにくいのですが、私たち革修復どっとこむでは過去に行ったシャネルの修復事例を公開していますので、よろしければ、参考までにご確認ください。
シャネルの修理を調べていると、クリーニングと、クレンジングという2種類の言葉をよく目にします。
どちらもバッグをきれいにする方法なのですが、キレイにするための技法が違ます。
クリーニングは洋服などのクリーニングと同じように革製のバッグを水に漬けこんだり丸洗いを行ったりします。
たしかに、汚れはおちるのですが、クリーニングの工程は素材である革や芯材などにダメージを与える危険性があります。
場合によっては色が完全に剥げてしまったり、革が硬くなってしまったりハンドルの芯材が折れてハンドルがふにゃふにゃになってしまうなんてこともあり得ます。
せっかく、お気に入りのバッグや大切なバッグをきれいにしようと、専門のお店に任せたのに、これでは意味がないですよね?
こんな事態を避けるためにも、私はクレンジングをおススメしています。
革製品のクレンジングは、クリーニングとは違い、水につけこんだり、丸洗いをするといったことは行いません。
まるで、お肌のお手入れをするように、革製品のために開発されたクレンジング剤で、丁寧に汚れをふき取り、染み抜きを行うことで、革製品にダメージを与えないようにきれいにしていきます。
また、シャネルのバッグの特徴でもある革が編み込まれているチェーンについても、クリーニングではそのまま洗いますが、クレンジングの場合、一度チェーンから革ひもを外してから、クレンジング、補修を行うので、細かい部分まで、キレイに仕上げることが可能です。
特にシャネルの定番であるマトラッセに使われるラムスキンやつぶつぶの型押しが特徴のキャビアスキンは素材である革そのものがデリケートなため、クリーニングをすると革の状態が悪くなってしまうことがあります。
また、最近人気のココハンドルなどは、あの丸みのあるハンドル部分が特徴のバッグですが、クリーニングをすることで、ハンドルが変形してしまうなんてこともあり得ます。
良いバッグであればあるほど、大切なバッグであればあるほど、長く使っていただくためにもクリーニングよりもクレンジングがおススメです。
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こちらの写真はシャネルのマトラッセのお財布の染め直し前と後の写真です。
保管状態が悪いと、色あせをおこし、革の色が落ちてしまいます。
こうなってしまうと、正規店では修理が難しいのですが、染め直しを行える革製品の修理店で、染め直しを行うことで、新品に近い見た目を取り戻すことが可能です。
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こちらのバニティーバッグは表面にうっすらとカビが生えています。
保管時の湿度が問題ですが、こういったバッグをクリーニングで丸洗いしてしまうと、芯材が破損し、型崩れを起こしてしまう危険性がありますが、クレンジングであれば、芯材を傷めないよう丁寧にカビを除去することが可能です。
6-3.トラベルラインの内側の張替え
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こちらはトラベルラインのトートバッグの内装の写真です。
何らかの汚れが酸化、変色して黄ばみが茶喝色にまで変色してしまった状態です。
シミ抜きでもある程度はキレイになりますが、ここまでシミが変色してしまうと染み抜きだけでは
完璧に落とすことができません。
こういった場合は、出来るだけ心地よくお使いいただきたいため、内装の交換をおススメしています。
内装の交換では、まったく同じ生地を用意することは難しいのですが、できるだけ近い素材と色合いの物に
交換することで、心地よく使用していただけるかと思います。
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こちらのマトラッセは、実は過去に1度、他の修理店で塗装を行っています。
しかし、塗装の際に使われた塗料がアクリル絵の具だったため、アクリル絵の具が経年劣化で表面に無数のひび割れができてしまいました。
こちらのマトラッセは一般の修理店で塗装を行っているため、シャネルでは修理を行ってもらえません。
こういった時には、染め直しが行える修理店へ染め直しを依頼するのが良いでしょう。
染め直しは革製品の染めの工程と同じ技法で革そのものを染めるため、経年劣化によるひび割れも発生しません。
こういった過去の修理による不具合なども革製品に対する技術と経験のある一般の修理店であれば、対応することができます。
シャネルのバッグや財布はこだわり抜いた最高級のなめし革を使用し、独自の染色を施すことで、革本来の風合いと質感を保たせています。
そのため、繊細でデリケートなバッグでもあります。
シャネルのバッグを常に美しく使用するためには、以下の10のことに気を付けながら取り扱いを行う必要があります。
上記のお手入れ方法はシャネルのバッグを購入したときについてくる小冊子にも記載があります。
シャネルは多少の傷や色あせがあっても直すことができるブランドです。
しかし、長く美しく使い続けるためには、日々のお手入れと気遣いが必要となります。
いかがだったでしょうか?
シャネルはブランド自身で修理センターを持っているので、ブランド価値を守るという意味でもまずは、シャネルの修理センターへ修理やメンテナンスを依頼することが大切です。
しかし、中にはいろいろな理由からシャネルに修理やメンテナンスを断られてしまうこともあります。
そういった場合には、一般の修理店へ修理やメンテナンスを依頼することで、大切なバックやお財布をより長くお使いいただけることができます。
しかし、修理やメンテナンスができるからといっていい加減に扱ってしまうと、どんなに良いバッグでもすぐにダメになってしまいます。
日々の保管と、お手入れこそが、大切な物を長く使うためにもっとも大切なことだと思います。