2021.03.23

ヌメ革にシミが出来る原因と対処法について

ルイヴィトンの定番アイテムであるモノグラムのラインなどにも多く使われている、
ヌメ革は丈夫で高級感があります。

ヌメ革は植物の渋に含まれるタンニンという成分でなめして作られた革皮です。
その特徴はちょっとやそっとでは破れない丈夫さにあります。

とても丈夫なので、ルイヴィトンでも、バッグのハンドルや、
バッグの底部、ファスナーの引き手など、力がかかりやすい場所によく使われています。

とても丈夫で高級感があり、多くのブランドで重宝されているヌメ革ですが、
デリケートでシミや変色、傷がつきやすいという弱点もあります。

今回はそんなデリケートなヌメ革のトラブルの中でも、
目立ちやすく取り除くのが難しいシミについてご紹介いたします。

ヌメ革にシミができてしまう原因とは

日常でヌメ革にシミが出来てしまう主な原因は大きく分けると2つあります。

1つ目は雨水や飲み物が溢れてかかってしまった水分です。
一見すると革製品は水を通さないので、水に強い様に感じる方もいるかもしれませんが、
実は、ヌメ革は水分にとても弱い素材なのです。

そのため、急な雨や飲み物が溢れて水分がヌメ革についてしまい、
気づかずに放っておくとすぐにシミとなってしまいます。

2つ目は、油です。
油なんて日常で付着することなんてないよ。と、
思ったかもしれませんが、バッグやお財布を使用する以上、
必ず、油に触れています。

それは人の手や体から出る汗やアカなどの油です。
人の体には少なからず脂質という油があり、
その油は体から常に出ています。

そのため、直接手で持つお財布やバッグなどはどうしても、
手から出る皮脂の油で油シミが出来てしまうのです。

ヌメ革にシミを作らないために大切なこと

丈夫でデリケートなヌメ革、シミを作らない様にするためには、
液体が付着したらすぐに拭き取るなどの早めの対応が大切です。

しかし、食べこぼしなどの油分の多い汚れなどは付着してしまったら、
拭き取ってもすぐにシミになってしまって手遅れなんてこともあります。

極力シミを作らないためには、雨が降っている日の使用を控えたり、
定期的に革のメンテナンス用クリームを使い、革に栄養補給をして揚げることが大切です。

しかし、急な雨やハンドルに付く皮脂などは防ぎたくても防げないですよね?
そこで、オススメなのが防水スプレーや撥水効果のあるクリームを使用する方法です。

防水スプレーに含まれるフッ素樹脂が水や油に弱いヌメ革に水分を弾く撥水層を形成し、
水分だけでなく、油汚れや皮脂汚れなども防ぐことが出来るので、ヌメ革にシミができるのを防いでくれます。

また、革靴などにも使われる撥水するオイルなどもオススメです。

ただし、防水スプレーの中には、逆に革にダメージを与えてしまうものもあるため、
お手持ちの防水スプレーが革製品にも使うことが出来るか、しっかりと調べてから使うようにしてください。

ヌメ革にシミが出来てしまったら

いくら気をつけていても、長年の使用などで
ヌメ革にシミが出来てしまうことがあります。

浅いシミであれば、染み抜きでも十分にシミをとることができるのですが、
深くヌメ革に浸透してしまっているようなシミの場合、
染み抜きではシミを抜くことが出来ません。

この浅いシミか、深く浸透したシミか、というのを見極めるのがとても難しく、
浅いシミだと思って染み抜きを試したら、シミが広がってしまったり、
変色してしまったりすることもあるため注意が必要です、

見極める自信が無いという方は無理せず、
プロにお任せいただくのが、もっとも安全確実なのでおすすめです。

深く浸透してしまったシミの場合は、
染み抜きでもシミをキレイに取り除くことが出来ません。

浸透したシミにはお化粧と一緒で、
染め直しを行い、シミそのものを隠してしまうことで、
見た目をキレイに保つことが出来ます。

事例で見るヌメ革の染め直し

こちらの写真は、水シミでルイヴィトンの底部に使われているヌメ革に、
大きなシミが出来てしまったモノグラムのバッグです。

写真 2020-10-19 12 41 03

ルイヴィトンは本体部分は合皮で、加工が施されているため、
多少濡れたくらいではなんの問題もありません。

しかし、底部のヌメ革は雨に弱く、このカバンの構造上、
本体で受けた水分が下に流れ、ヌメ革の側面で流れてきた水分を受け止めてしまう形になっています。

写真 2020-10-19 12 41 33

そのため、ルイヴィトンのこのタイプのバッグでは、
こういった形の水シミが起こりやすくなってしまいます。

このシミは深く浸透してしまっているため、
染み抜きをどれだけしてもキレイにシミを抜き取ることは出来ません。

そこでプロの技、「染め直し」の出番です。

この画像は上の写真のルイヴィトンと同じものです。
落とすことが出来ないシミも染め直しをすることで、これほどまでにキレイに仕上がります。

写真 2020-10-19 16 00 16

1枚目の画像では、光の関係で締め直し後のヌメ革が白っぽく見えるかもしれませんが、
こちらの写真では、全体的に色目が調整され、見栄えがキレイになっているのが一眼でわかるかと思います。

写真 2020-10-19 16 00 53

この事例の様に、ほとんどのシミでは染め直すことで、
キレイな見た目を取り戻すことが出来ますが、ヌメ革の経年劣化の特徴によっては、
完璧にキレイに仕上げることが難しいケースもございます。

 

 

ヌメ革の3つの特性

概ね染め直しでシミはキレイにすることが出来るヌメ革ですが、
キレイに染め直しすることが難しい場合もあります。

ひび割れや裂け目がある場合

ヌメ革は本来内部に適度な油分を保有しているのですが、
シミが出来るほど水に濡れると内部の油分が抜けてしまい、
硬くなってしまうことがあります。

硬くなってしまったヌメ革は、ひび割れや裂け目が生じやすく、
お直しをご依頼される物の中にはシミだけでなくヒビや裂け目が生じてしまった物も多くあります。

一度入ってしまったヒビや裂け目は染め直しでは修復することが出来ませんので、
こういったケースでは、パーツの製作交換をご提案させていただいています。

ひび割れや亀裂が見られる場合はこちらが参考になるかと思います。

 

 

経年変化によるヌメ革の変色

ヌメ革の人気の特性に経年変化による色味の変化があります。
経年変化は長年使われることで少しずつヌメ革の色が濃く、
アメ色に変化していくヌメ革の特性で、
ヌメ革が愛され続けている理由でもあります。

しかし、中には新品時の白っぽい色合いの方が良いと考えられる方もいらっしゃると思います。
経年変化によって色が濃くなっている場合、
濃くなった色を薄くすることは難しいため、
染め直す際には現状の色味を反映させた色合いの仕上がりとなります。

部分的な染め直し

状態がとてもいいのに、一部だけシミが出来て変色してしまっている場合、
出来ることなら、部分的な染め直しだけで終わらせたいと思うかもしれません。

しかし、染め直しには染料を使い、
ヌメ革を染めるため、どうしても一部分だけの染め直しというのは難しく、
全体的なメンテナンスを行ったほうが、見た目がキレイに仕上がるため、
部分的なシミであっても、全体的な染め直しをおすすめしています。


ヌメ革の染め直しのメリット・デメリット

見栄えが良くなるヌメ革の染め直しですが、
メリットとデメリットがあります。

シミが付いてしまい、染め直しが必要となった時には
メリットとデメリットも考慮しどちらが良いか、
判断の材料にもして頂けたらと思います。

ヌメ革の染め直しのデメリット

ヌメ革の染め直しのもっとものデメリットは、
やはり今まで育った経年変化が失われるという点でしょう。

ヌメ革の経年変化は、そのアイテムとあなたの歴史でもありますから、
それが、キレイさっぱり無くなってしまうというのは悲しいですよね。

もし、ヌメ革の経年劣化による色合いの変化を楽しみたいという方であれば、
ヌメ革の染め直しは避けた方が良いでしょう。

ヌメ革の染め直しのメリット

ヌメ革の染め直しを行うことで、水シミが出来にくくなります。
これは、染め直しで染料を使うことで、
ヌメ革に染料の層を作ることが出来ます。

染料の層が出来ることで、付着した水分がヌメ革の本体まで
浸透することを防ぎ、ヌメ革を保護し、長持ちさせてくれます。

染め直しを施すことで、水シミが出来にくくなります。
水シミが出来にくくなることで、普段のメンテナンスが楽になります。

まとめ

多くのブランドで使われ、愛好家も多いヌメ革ですが、
ちょっとしたことで変色やシミが出来てしまうとてもデリケートな素材です。

その反面日々のメンテナンスをしっかりとすることで、
あなただけの深い色合いと艶が出て、お手持ちのアイテムに深い味わいを与えてくれます。

もし、普段からのメンテナンスが面倒くさいと感じる方は、
ヌメ革のアイテムを普段使いは避け、使った後はきっちり表面の水分をしっかりと拭き取るだけでも、
シミや経年変化をある程度は抑えることが出来ます。

そして、もしシミが出来てしまい、自分で取り除くことが難しいと感じたのなら、
一度プロにご相談していただくことで、キレイな見栄えに修理することも可能です。

ただし、ヌメ革の状態などによっては、染み抜きや染め直しではなく、
パーツの製作交換となりますので、その時はしっかりと相談したうえで、
もっともベストなお直しの方法をご提案させていただきます。

 

ルイヴィトンその他の事例はこちら

 

consultation
consultation
Pagetop