ルイヴィトンの定番アイテムであるモノグラムのラインなどにも多く使われている、ヌメ革は丈夫で高級感があります。
ヌメ革は植物の渋に含まれるタンニンという成分でなめして作られた革皮です。
その特徴はちょっとやそっとでは破れない丈夫さにあります。
とても丈夫なので、ルイヴィトンでも、バッグのハンドルや、バッグの底部、ファスナーの引き手など、力がかかりやすい場所によく使われています。
とても丈夫で高級感があり、多くのブランドで重宝されているヌメ革ですが、デリケートでシミや変色、傷がつきやすいという弱点もあります。
今回はそんなデリケートなヌメ革のトラブルの中でも、目立ちやすく取り除くのが難しいシミについてご紹介いたします。
この記事の目次
日常でヌメ革にシミが出来てしまう主な原因は大きく分けると2つあります。
1つ目は雨水や飲み物が溢れてかかってしまった水分です。
一見すると革製品は水を通さないので、水に強い様に感じる方もいるかもしれませんが、実は、ヌメ革は水溶性の汚れにとても弱い素材なのです。
そのため、急な雨や飲み物が溢れると浸透してシミになります。
2つ目は、油です。
油なんて日常で付着することなんてないよ。と、思ったかもしれませんが、バッグやお財布を使用する以上、必ず、油に触れています。
それは人の手や体から出る皮脂などの油分です。
直接手で持つ部分に黒ずみがでてくる症状が油分のシミになります。
丈夫でデリケートなヌメ革、シミを作らない様にするためには、液体が付着したらすぐに拭き取るなどの早めの対応が大切です。
しかし、食べこぼしなどの油分の多い汚れなどは付着してしまったら、拭き取ってもすぐにシミになってしまって手遅れなんてこともあります。
極力シミを作らないためには、雨が降っている日の使用を控えたり、革修復どっとコムで開発した『ヌメ革撥水加工』をお勧めします。
革修復どっとコムでは、ヌメ革の見栄えを変えずに撥水効果を発揮する加工剤があります。
若干、張りが出ることがありますが、見た目的な変化は出ません。
自動車を購入した時に施すガラスコーティングのヌメ革バージョンとお考えいただけたらと思います。
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市販で売られている防水は絶対に行わないでください。
ヌメ革はデリケートな素材になるので、色合いが濃くなったり、テカテカになるなど不具合が出ます。
いくら気をつけていても、長年の使用などでヌメ革にシミが出来てしまうことがあります。
浅いシミであれば、染み抜きでも十分にシミをとることができるのですが、深くヌメ革に浸透してしまっているよなシミの場合、染み抜きだではシミを抜くことが出来ません。
この浅いシミか、深く浸透したシミか、というのを見極めるのがとても難しく、浅いシミだと思って染み抜きを試したら、シミが広がってしまったり、変色してしまったりすることもあるため注意が必要です、
見極める自信が無いという方は無理せず、プロにお任せいただくのが、もっとも安全確実なのでおすすめです。
深く浸透してしまったシミの場合は、染み抜きでもシミをキレイに取り除くことが出来ません。
浸透したシミにはお化粧と一緒で、染め直しを行い、シミそのものを隠してしまうことで、見た目をキレイに保つことが出来ます。
こちらの写真は、水シミでルイヴィトンの底部に使われているヌメ革に、大きなシミが出来てしまったモノグラムのバッグです。
ルイヴィトンは本体部分はトアル地という合成皮革素材なので、多少濡れたくらいではなんの問題もありません。
しかし、底部のヌメ革は雨に弱く、このカバンの構造上、本体で受けた水分が下に流れ、ヌメ革の側面で流れてきた水分を受け止めてしみになってしまいます。
このシミは深く浸透してしまっているため、染み抜きをどれだけしてもキレイにシミを抜き取ることは出来ません。
そこでプロの技、「染め直し」の出番です。
落とすことが出来ないシミも染め直しをすることで、こ見栄えよくキレイに仕上がります。
ヌメ革らしさを活かして表面加工いたします。
シミはキレイにすることが出来ますが、キレイに染め直しすることが難しい場合もあります。
ヌメ革は本来内部に適度な油分を保有しているのですが、シミが出来るほど水に濡れると内部の油分が抜けてしまい、硬くなってしまうことがあります。
硬くなってしまったヌメ革は、ひび割れや裂け目が生じやすく、裂け目が生じてしまったケースがあります。
ヒビや裂け目は加工で修復することが出来ないので、パーツの制作交換をご提案させていただいています。
ひび割れや亀裂が見られる場合はこちらが参考になるかと思います。
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何のシリーズでしょう?
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ヌメ革の人気の特性に経年変化による色味の変化があります。
経年変化は長年使われることで少しずつヌメ革の色が濃く、アメ色に変化していくヌメ革の特性で、ヌメ革が愛され続けている理由でもあります。
しかし、中には新品時の白っぽい色合いの方が良いと考えられる方もいらっしゃると思います。
経年変化によって色が濃くなっている場合、濃くなった色を薄くすることは難しいため、染め直す際には現状の色味を反映させた色合いの仕上がりとなります。
状態がとてもいいのに、一部だけシミが出来て変色してしまっている場合、出来ることなら、部分的な染め直しだけで終わらせたいと思うかもしれません。
しかし、染め直しには染料を使い、ヌメ革を染めるため、どうしても一部分だけの染め直しというのは難しく、全体的なメンテナンスを行ったほうが、見た目がキレイに仕上がるため、部分的なシミであっても、全体的な染め直しをおすすめしています。
テストが必要になりますが水分が入っていない油分のシミは、革の色素を壊していないので、油分を抜くことが可能な場合がございます。
見栄えが良くなるヌメ革の染め直しですが、メリットとデメリットがあります。
シミが付いてしまい、染め直しが必要となった時にはメリットとデメリットも考慮しどちらが良いか、判断の材料にもして頂けたらと思います。
ヌメ革の染め直しのもっとものデメリットは、やはり今まで育った経年変化が失われるという点でしょう。
ヌメ革の経年変化は、そのアイテムとあなたの歴史でもありますから、それが、キレイさっぱり無くなってしまうというのは悲しいですよね。
もし、ヌメ革の経年劣化による色合いの変化を楽しみたいという方であれば、ヌメ革の染め直しは避けた方が良いでしょう。
ヌメ革の染め直しを行うことで、水シミが出来にくくなります。
これは、染め直しで染料を使うことで、ヌメ革に染料の層を作ることが出来ます。
染料の層が出来ることで、付着した水分がヌメ革の本体まで浸透することを防ぎ、ヌメ革を保護し、長持ちさせてくれます。
染め直しを施すことで、水シミが出来にくくなります。
水シミが出来にくくなることで、雨などシミに気を遣わずにご使用いただけます。
多くのブランドで使われ、愛好家も多いヌメ革ですが、ちょっとしたことで変色やシミが出来てしまうとてもデリケートな素材です。
その反、面日々のメンテナンスをしっかりとすることで、あなただけの深い色合いと艶が出て、お手持ちのアイテムに深い味わいを与えてくれます。
もし、普段からのメンテナンスが面倒と思う方は、ヌメ革のアイテムを普段使いは避け、使った後は表面の汚れを乾拭きするだけでも、シミや経年変化をある程度、抑えることが出来ます。
そして、もしシミが出来てしまい、自分で取り除くことが難しいと感じたのなら、一度プロにご相談していただくことで、キレイな見栄えに修理することも可能です。
ただし、ヌメ革の状態などによっては、染み抜きや染め直しではなく、パーツの制作交換となるケースもあります。
状態見お応じてベストな方法をご提案させていただきます。
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ルイヴィトンの運営会社は、LVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)と言います。
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