投稿日:2020.07.23

更新日:2024.10.09

バニッシュ(コバ)加工の破損と修理について

レザーバッグ・財布バニッシュ修理

 

バニッシュ(コバ)とは、レザーアイテムの縁部分に施される加工の種類です。

特にバッグや財布、レザーハンドルなどの縁周りを保護し、美しい仕上がりにするために用いられます。

革の端が優しく耐久性が考慮され、製品の外観が評価されます。

 

この記事ではバニッシュの再加工についてご紹介します。

バニッシュの加工とは

バニッシュの加工とは前述したとおり、レザーアイテムやパーツのふち周りの加工のことをいいます。

ふち周りの処置パターン

ふち周りの処置として、3パターンの処理があります。

コバ磨き

磨いて仕上げるコバ磨き

ルイヴィトンのヌメ革やアニリンカーフによく加工されています。

コーティングタイプ

一番多いタイプで革のカット面を隠し美しくする加工です。

バッグ

財布

ヘリ返し

革のカット面を中に切れ端を入れ込んで縫い込む仕上げになります。

ヘリ返しは、染め直しや補色のメンテナンスになります。

バニッシュの破損原因とその影響

バニッシュ処理は、見た目を美しくするための加工です。

切れ端やカット面が露出すると安っぽく見えるため、ヘリ返しやパイピングの代わりにバニッシュ加工が施されます。

破損しやすい理由

バニッシュは見栄えを良くすることが主な目的なので、特に傷みやすい部分です。

使用を重ねると、革や本体に伸びが生じ、型崩れが起こります。

バニッシュの加工剤は収縮性が少ないため、時間の経過とともに剥がれやすくなります。

要するに、バニッシュ加工は美観を保つためのものである一方、経年変化や使用によって破損しやすい特徴も持っています。

バニッシュの破損事例

 

トアル地まで剥がれてしまったケース

擦れによる黒ずみ

保管中にべたつきが出た状態

ベタツキの要因は保管中の湿度になります。

エナメルや合成皮革素材のべたつきの原因は?べたつきの原因と対策、保管方法について

修理事例

【before】

【after】

【before】

【after】

加水分解によるべたつきの修復事例

【before】

【after】

バニッシュの剥がれとその影響

バニッシュが剥がれたまま使用を続けると、ステッチのほつれが発生し、次第に革などの素材が削れてきます。

軽いひび割れやほつれ程度であれば、バニッシュのみで補修可能ですが、素材まで削れた状態になると修復が困難になります。

修理のポイント

軽度のひび割れやほつれであれば、バニッシュだけの補修で済むことが多いです。

しかし、素材が削れた状態が広がると、元の状態に戻すのは難しくなります。

このため、早めの修理が重要です。

バニッシュが剥がれたまま放置するのではなく、早めに対処することでバッグの寿命を延ばすことができます。

トアル地まですり減った場合の修理方法事例

 

この状態になった場合、上から革を縫い付けるデザインでの修理方法をご提案することが可能です。

 

レザーで破れた部分を覆うように補強することで、破れの進行を防ぎ、大切なバッグを長く使用できます。

状態やご希望に応じて加工方法を選ぶことが可能です。また、バニッシュのみの修復も対応しております。

 

動画で配信中!

 

 

YouTube

運営会社:フェニックス株式会社

MOTTAINAIの文化の伝え手として、
未来に豊かさを伝えていく。

 

革修復どっとコムでは、大切な革製品をお客様に長くご愛用していただけるよう、職人の育成に力を入れています。信頼できる職人集団を目指し、常に技術向上を目指した努力を続けています

リペア教室(多くの人に感動と喜びを)

委託販売(ブランド名・シリーズ名・真贋教育)

買取します(職人育成にご協力ください・技術を次世代へつなぐ)

 

無料診断は
こちら


PAGE TOP