
今回の記事では、モノグラムエクリプス素材に生じた裂けの修復についてご紹介します。
お問い合わせをいただいた際、多くの修理業者から「直せない」と断られたとのこと。
正直なところ、ダメもとでのご相談だったようです。
しかし、「少しでも良くなるなら」との思いでご依頼をいただきました。
お客様の大切なアイテムを可能な限り美しく、使い続けられる形へと整えるために、最善を尽くして修復をさせて頂きました。


レザー部分の裂け目と、モノグラム部分に少し折れた感じの痕が残りましたが、気にならない範囲まで形成できたかと思います。

モノグラムやダミエに使われている素材は、丈夫な綿素材にコーティング加工が施された「トアル地」と言います。
この素材は、シボ加工によるシワ状の型押しが特徴で、一見するとレザーのような質感を持っています。
近年、合成皮革の製造技術は飛躍的に向上し、カーインテリアやファッションアイテムにおいても、本革との見分けが難しいほど精巧なものになっています。
合成皮革を使用する理由は、コスト削減や動物保護の観点が大きく関係しています。
しかし、長年の使用によって劣化が生じることもあり、使用環境やメンテナンスによってその耐久性は異なりますが、モノグラムは合成皮革素材の中でも丈夫な素材になります。
今回の修復は、裂け目を「硬化しない樹脂」で張り合わせ、柔軟性を保持しながら補修を行いました。
次に、貼り合わせた部分を研磨し、表面を滑らかに整えシボを出来る範囲で再生します。
そして、合成皮革用の塗料を調色し、慎重に上塗りを施して質感を復元。
この工程を何度か繰り返しながら、より自然な仕上がりを目指し、見栄えが良くなった段階で、艶調整と色止めを施して修復完了となります。
「形成した部分を折り曲げると割れるのでは?」と気になる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、修復には素材の柔軟性に適した加工剤を使用しているため、不自然な割れが発生することはありません。
安心してお使いいただけます。
次の画像でご確認いただけたらと思います。
・形成した部分の耐久性テスト画像


修復が難しい状態でも、諦めないでください!
今回ご紹介したバッグのように、損傷の程度が大きい場合、修復の難易度は高くなります。
しかし、完璧な状態への復元が難しくても、最善を尽くしてメンテナンスを行い、できる限り美しく仕上げます。
「もうダメかも」と思ったときこそ、革修復どっとコムへぜひ一度ご相談ください。
お問い合わせをお待ちしております。