
エルメスの「ドゴン(Dogon)」は、1997年の年間テーマ「アフリカ」にインスパイアされて誕生した洗練されたデザインの財布。
その名前はアフリカの民族「ドゴン族」に由来し、豊かな文化的背景や色彩美が随所に反映されています。
ドゴンの魅力は、丸みを帯びたフォルム、シンプルで上質なレザー使い、そして高い収納力。
さらにモデルによっては取り外し可能なコインケースも付いており、機能性が重視されています。
しかし、時間の経過と共に、以下のような劣化が見られることもあります。
ベルト部分のひび割れや断裂。
色合いによる黒ずみや擦れによる色褪せ。
付属コインケースを収納するマチ部分の膨らみ。
この記事では、経年劣化によるドゴンの上記の不具合を見栄えよく改善した事例をご紹介します。
ぜひ最後までお読みいただけたらと思います。
革製品の表面層、いわゆる「銀面」は、鞣し工程を経て加工されることで美しさと機能性を両立しています。
革修復どっとコムでは、その製造過程に倣った方法で、新たに銀面を生成する染め直しによるメンテナンスを行っています。
クレンジングの重要性
新たに現状の上から、銀面を生成する際、最も大事な工程が事前のクレンジングとしみ抜きです。
この工程では、黒ずみを丁寧に除去し、銀面の馴染み方をより自然な仕上がりへと導きます。
黒ずみをいかにきれいに抜き取れるかが、革製品の外観と質感に大きな影響を与えます。
ナチュラルに見栄えよく仕上げる上で、汚れやシミを抜き取る技術は、革修復どっとコムのオーナーである齋藤がクリーニング業で培ってきたしみ抜き技術も活用されています。
【before】

【after】

革の膨らみ問題への新しい解決策
革製品の膨らみを改善するための修復方法として、従来では芯材を表と裏の革の間に挿入し、補強する方法が一般的でした。
この方法は高い耐久性を得られる一方で、以下の課題がありました。
再縫製や加工されたバニッシュ(コバ)の再加工が必要。
熟練職人でないと対応が難しい。
高額な費用が発生し、修理を断念するケースも。
しかし、新しい技術では、製品を解体することなく形補正のみで膨らみを改善することが可能になりました。
この方法は効率的でコストを抑えられるだけでなく、製品のオリジナルの構造を極力維持することができます。
【before】

【after】

表から見るとはみ出した状態も形成で美しいフォルムに戻ったかと思います。
【before】

【after】

形補正について、様々なケースをご紹介している記事です。
是非、ご覧ください!
画像のようにひび割れが進行して裂けた状態の場合、最適な対処法はベルト部分を丸ごと交換することです。
予算を抑えたい場合には、専用に開発されたレザー用接着剤を用いて修復する方法もございます。
ただし、この方法は修理後の使用を考慮すると耐久性に限りがある可能性があります。
そのため、革修復どっとコムでは交換を推奨しております。
金具を通すホール部分も出来る限り違和感が出ないよう、エルメス専門の職人がメンテナンスに当たります。
【正面after】

【内側after】

いかがでしたでしょうか!
色褪せや汚れをきれいにするだけでは十分ではありません。
ベルトが劣化していたり形崩れが生じている場合、総合的なメンテナンスが必要となります。
革修復どっとコムでは、染め直しから製作交換まで、幅広いメンテナンスを提供しており、高い技術を持つ専門の職人が、それぞれに対応いたします。
状態に応じて最適なご提案をいたしますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。