
保管中のトアル地の変形を直せるのか?
ルイ・ヴィトンの「モノグラム」や「ダミエ」に使われるトアル地は、防水性・耐久性に優れた美しい素材ですが、温度変化によって柔らかくなったり硬くなったりと、保管管理が難しいことがあります。
今回、保管中に変形してしまったトアル地の形補正をご紹介します。
このダミエエベヌのバケットは、よそ行き用として保管されることが多いモデルですが、詰め物をせずに収納していたため、いざ使おうとした時に変形してしまっていました。
保管中に素材が柔らかくなり、重みで歪んだ後、そのままの状態で固まってしまったと思われます。
今回の補正によって、美しいフォルムを取り戻しました。
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このダミエエベヌのバケットは、夏場の高温下で柔らかくなり、重みで形が崩れた状態で冬を迎え、そのまま固まってしまったと考えられます。
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上から見るとわかるトアル地の歪みと補正後の変化
このバケットは、保管中の影響で上から見ると歪みがはっきりと確認できる状態でした。
しかし、形を丁寧に補正することで、滑らかで美しいフォルムを取り戻し、まるで別のバッグのような仕上がりになりました。
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【after】

ダミエと同じような状態でした。
バケットタイプは、何もしないで長期間、保管すると同じような変形が起こるようです。
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バケットを美しく保管するためのポイント
夏場の高温によって素材が柔らかくなるトアル地は、適切な保管をしないと形が崩れてしまうことがあります。 画像のように厚紙を入れることで、下にたれるのを防ぎ、型崩れしにくくなります。 簡単な工夫で、長く美しいフォルムを維持するための方法をご紹介します。
厚紙を画像のように入れて保管してみてください!
厚すぎると丸めるときにおれてしまうので、少し厚めで良いと思います。

完全に潰れた状態でしたが、少し膨らませ敢えて、詰め物をせずに撮影しました。
折れた痕は残りましたが、パイピング部分をシャキッとさせたことで、フォルムが戻りました。
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【after】

無雑作に保管されていたので、くしゃくしゃの状態でしたが、ある程度の補正が出来たかと思います。
ポイントは、両サイドのヌメ革パイピングをいかに真っすぐに出来るかになります。
パイピングが真っすぐになると、全体的な歪みが補正しやすくなります。
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【after】

トアル地が変形してしまった場合、軽度な歪みなら厚紙や詰め物を使うことで、ある程度回復させることができます。
しかし、今回ご紹介したような大きな変形の場合、ご自身での補正は難しく、適切な専門的な対応が必要になります。
特に絶対に避けるべき方法として、アイロンをかけることがあります。
アイロンの熱によって表面が溶け、修復が困難になるため、アイロンは決して使用しないでください!
適切な保管で、美しいフォルムを維持しましょう
モノグラムやダミエは丈夫な素材ですが、保管の方法や気温によって変形することがあります。
形を維持するためには、厚紙を使った工夫が効果的です。
もしすでに型崩れしてしまったバッグがありましたら、お気軽にご相談ください。
画像をお送りいただければ、補正の可能性やお見積もりをご案内いたします。