
「靴職人のこだわりに感動」
仁科幸子
先日、近くに靴修理店がないためネット検索で福井
県にある「靴修理ドットコム」を知りました。
この店は古いブランドの靴やバックの染めまでして直してくれるこだわりの店。
早速ブーツ二足を修理に。
手順はまず、靴の写真とどこを直して欲しいかとメール。
するとその写真から判断し、予算、かかる日数などを教えてくれて、こちらが納得すれば条件成立。
初めて靴を送ります。
するとしばらくして、ピカピカに蘇った靴が送られて来ました。
どこか真心も感じられて、お値段もリーズナブルで気に入ったので、その後、デザイン先行の変わったカカトが少し剥がれてしまったブランド品のブーツを接着してもらいたいとメールすると、素材を直接見いとおっしゃるのでお送りすると、細かにこのブーツのかかとをつけるには、どこが難しか?
そして修理出来ないという丁寧なお返事が届きました。安易にただ接着すればいいと、チェーン店ならくっつけてくれたかもしれませんが、カカトの部分に芯を入れて接着しないと長くはもたないと、長く客がその靴を暮らしていく時間も考えて、修理出来ないと判断された靴修理の奥深さを学ぶことも出来ました。
この店の社長は十七歳から靴修理一筋に三十数年、日本に数台しかないオランダ製の機械を使いこなす名人。
その方がおっしゃるのであれば仕方がないと諦めることも出来ました。
「日本には『物を大切にし、直しながら使い続ける』美しい文化があります。
お客様の人生を共に歩む大切な物へ命を吹き込むことで、これからもたくさんの方の笑顔を作っていきたい」と店のホームページにあります。
田舎の不便は時にこんな風な素敵な出会いも生み出すものだと思いました。