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ボッテガヴェネタのお財布は、テープ状のレザーで縁取りされたイントレチャートデザインが特徴です。
このパイピングは薄めのレザーを使用して美しい曲線を実現しています。
しかし、経年劣化によりパイピング部分に擦れや破れが生じやすいです。
この記事では、ボッテガヴェネタのイントレチャート財布におけるパイピング修理事例を詳しくご紹介します。
修理を行うことで、お財布の見た目と耐久性が向上し、長く愛用することが可能になります。
ボッテガヴェネタのお財布のパイピング修理には、状態とお好みの仕上がりに応じて、以下の二通りの方法があります:
傷を形成して染め直し
適用対象: 銀面が擦れた状態の場合
方法: 革の色付けされている表面層(銀面)を形成して染め直しを行います。
仕上がり: 見栄えがよくなり、交換修理までの必要はありません。
パイピングの交換
適用対象: 長く使用し続けるための新調感を求める場合
方法: お財布の縫製を慎重に解いて解体し、新しいパイピングを交換します。
仕上がり: 予算と時間がかかりますが、パイピング交換はさらに長持ちし、新調感が得られます。
例えば、ピンクのボッテガヴェネタのお財布は、パイピング部分が擦れて劣化し、色が剥げた状態でした。
幸いなことに下地のレザーに破れや捲れはなく、下地を均す程度の形成と染め直しでメンテナンスを行いました。
この修理により、見た目が改善され、使いやすさも向上しました。
【before】
【aftre】
こちらの写真は、実際にパイピングの交換修理を行った事例です。
このような状態になった場合、以下の二つの方法から修理方法をお選びいただけます。
適用対象: 銀面が擦れた状態の場合
方法: 革の色付けされている表面層(銀面)を形成し、その後染め直しを行います。
メリット: 見栄えが良くなります。交換修理と比較すると低予算で、納期も早いです。
デメリット: 深い傷の場合、修理痕が残ることがありますが、見栄えを良くすることは可能です。
適用対象: 新調感を出したい場合や、さらに長くご使用をお考えの場合
方法: お財布の縫製を慎重に解いて解体し、新しいパイピングを取り付けます。
メリット: 新しい革で交換するため、新調感のある仕上がりとなり、形成よりも長持ちします。
デメリット: ボッテガヴェネタのパイピングがある財布は内縫いで縫い目が表に出ておらず、熟練した職人が担当します。慎重を要する修理となるため、費用が高く、納期に時間がかかります。
ボッテガヴェネタのお財布は、テープ状のレザーで縁取りされたイントレチャートデザインが特徴です。
特にパイピング部分は薄めのレザーを使用しており、経年劣化によって擦れや破れが生じやすいです。
このような状態になった場合、傷を形成して染め直す方法とパイピング交換のどちらかをお選びいただくことができます。
例えば、先にご案内させていただいたピンクのボッテガヴェネタのお財布は、パイピング部分が擦れて劣化し、色が剥げた状態でした。
下地のレザーに破れや捲れがないので、下地を均す程度の形成と染め直しでメンテナンスを行いました。
以下の画像はパイピングを交換した事例になります。
【before】
【after】
全体のアフター画像です!
今回の修理では、パイピングの交換修理を行いました。
画像下に見える細い紐は取り外した古いパイピングです。
イントレチャートとは、イタリア語で「手編み込み」を意味する言葉です。
柔らかなレザーをテープ状に裁断し、職人が手作業で丁寧に編み込む技法です。
この技法はイタリアでは一般的ですが、その技法をデザインとして象徴的に取り入れ、ブランドのアイコンにまで引き上げたのがボッテガ・ヴェネタです。
イントレチャートは今やボッテガ・ヴェネタの代名詞とも言える技法となっています。
ボッテガ・ヴェネタは1966年にイタリアのヴィチェンツァで、ミケーレ・タッデイとレンツォ・ゼンジアーロの夫妻によって設立されました。
ブランド名は「ヴェネタの工房」を意味し、職人的なブランドであることを象徴しています。
ブランドは高品質なレザーアイテムでイタリアの上流階級から支持を集めましたが、その中でも特に際立ったのがイントレチャートの製品です。
イントレチャートはイタリアのトスカーナ地方に伝承される革の編み込み技法で、多くのブランドが使用する中、ボッテガ・ヴェネタは圧倒的なクオリティで知られています。
シルクのように滑らかで強度が高く、洗練されたデザインのバッグは世界中で羨望の的となっています。
ご紹介の通り、ボッテガ・ヴェネタの構造は伝統工芸からきているので、パイピングを同じように交換する際は、イントレチャートの縫い目がばらばらにならないよう、亀裂が生じないよう熟練した職人技が必要不可欠です。
革修復どっとコムでは、このような伝統的な技法を尊重しながら、丁寧な修理やメンテナンスを提供しています。お客様の大切なアイテムを長く愛用していただけるよう、経験豊富な職人が心を込めて対応いたします。何かご質問やご相談がありましたら、いつでもお気軽にお問い合わせください。
パイピング交換を行う際には、全体染め直しセットをおすすめします。
パイピングはデザインの一部であるため、パイピングだけをきれいに修理すると、全体のバランスが崩れ、違和感が出ることがあります。
全体染め直しを同時に行うことで、統一感のある美しい仕上がりを実現できます。
また、バイカラー的なイメージが好みの場合は、異なる色のレザーに変えることも一つの選択肢です。
これにより、個性的でユニークなデザインにカスタマイズすることができます。
カスタマイズのご要望があれば、どうぞ遠慮なくお申し出ください。
パイピングの擦れや色褪せによる修理方法についてご紹介しました。
イントレチャートは素晴らしい伝統工芸であり、網目の細かいイントレチャートは現在では販売されていないため、非常に貴重です。
できるだけ擦れないようにお使いいただくのが良いですが、お財布は日常的に使用するアイテムなので、擦れは避けられません。
色褪せてきたら、早めのメンテナンスをおすすめします。
革修復どっとコムの染め直しは、銀面を生成する方法なので、レザーの保護にもなります。
破れや剥がれてくる前の色褪せた段階で修理を行えば、費用もさほど掛からず、納期も早くなります。
それでも痛みが出てしまった場合、修理の方法は破れの程度やどのように仕上げたいかによってお選びいただけます。
傷の形成修理:
方法: 独自の配合剤で傷を形成し、染め直しを行います。
メリット: 見栄えが良くなり、低予算かつ早期完了。
注意点: 修理痕が残る場合がありますが、全体の見た目は改善されます。
パイピング交換修理:
方法: お財布の縫製を解いて解体し、新しいパイピングを取り付けます。
メリット: 新しい革で交換することで、新調感のある仕上がりと耐久性が向上。
注意点: 費用が高く、納期に時間がかかりますが、長持ちします。
ご紹介した修理事例を参考に、ご検討いただければと思います。
大切なアイテムに破損が出て修理をお考えの際は、どうぞお気軽にお問い合わせください。
私たちは職人の育成を重要なミッションとして、高品質な修理サービスを提供し続けるため、次の世代の職人を育てる取り組みに力を入れています。
①実践的な練習
傷んだブランド品を安く仕入れ、練習用に使用しています。
これにより、職人たちはリアルな修理経験を積むことができます。
②専門的な指導
経験豊富な職人が新しい職人に対して指導を行い、技術を継承しています。
高度な技術を伝えることで、全体のクオリティを保っています。
③多様な修理実績
ルイヴィトン、エルメス、シャネルなどのハイブランド品を取り扱い、さまざまな修理経験を積むことで、対応力を高めています。
④もったいない精神
日本の「もったいない」精神を大切にし、使い捨てではなく、修理して長く使う文化を広めています。
上記の取り組みとして、以下の方法で職人を育成しています!
私たちは福井県福井市を拠点としているフェニックス株式会社です。
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