イントレチャートとは、イタリア語で「手編み込み」を意味する言葉です。
柔らかなレザーをテープ状に裁断し、職人が手作業で丁寧に編み込む技法で、この技法はイタリアでは一般的ですが、その技法をデザインとして象徴的に取り入れ、ブランドのアイコンにまで引き上げたのがボッテガ・ヴェネタです。
イントレチャートは今やボッテガヴェネタの代名詞とも言える技法となっています。
革修復どっとコムでは、このような伝統的な技法を尊重しながら、メンテナンスを提供しています。
今回は、中央にイントレチャートがあるお財布のメンテナンスをご紹介します。
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ボッテガヴェネタのパイピング修理: 方法と選択肢
革修復どっとコムにご依頼いただいた今回のお財布は、パイピングが捲れ色褪せた状態でした。
ボッテガヴェネタのふち周りパイピングは柔らかいレザーを使用しているため、経年劣化により剥がれてくる傾向があります。
このような状態になった場合、以下の2つの修理方法からお選びいただけます。
1. 傷を形成して染め直す方法
少しでも見栄えが良くなればとお考えの場合、傷を形成して染め直す方法が適しています。
- 形成方法: 硬化しない独自の配合剤(レザー用のパテ)で傷を形成し、その後染め直します。
- 仕上がり感: 傷が深い場合は、修理痕が残ることがありますが、見栄えを良くするための修理として効果的です。
2. パイピングの交換方法
新調感を出したい場合や更に長くご使用をお考えの場合、予算とお時間は掛かりますが、パイピング交換がお勧めです。
- パイピング交換: お財布の縫製を慎重に解いて解体し、新しいパイピングを取り付けます。
- 内縫い技術: ボッテガヴェネタのパイピングは縫い目が見えない内縫いで仕上げられているため、熟練した職人が担当します。未熟な者が行うと、パイピングが太くなり安っぽくなるため、技術が求められます。
今回、ご依頼いただいたお財布は生地形成をご選択いただきました。
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劣化が激しい部分の修理
今回、特に劣化が激しかった部分になります。
形成した部分を拡大してみると若干目立つことがありますが、全体としては違和感のない仕上がりを実現しています。
しかし、修復痕が気になる方には、パイピングの交換をお勧めいたします。
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ボッテガ・ヴェネタの歴史とイントレチャートの技法
ボッテガ・ヴェネタは1966年にイタリアのヴィチェンツァで、ミケーレ・タッデイとレンツォ・ゼンジアーロの夫妻によって設立されました。
ブランド名は「ヴェネタの工房」を意味し、職人的なブランドであることを象徴しています。
ブランドは高品質なレザーアイテムでイタリアの上流階級から支持を集めましたが、その中でも特に際立ったのがイントレチャートの製品です。
イントレチャートはイタリアのトスカーナ地方に伝承される革の編み込み技法で、多くのブランドが使用する中、ボッテガ・ヴェネタは圧倒的なクオリティで知られています。
シルクのように滑らかで強度が高く、洗練されたデザインのバッグは世界中で羨望の的となっています。
ボッテガヴェネタ財布の修理が必要な状態の場合、ご質問やご相談がありましたら、いつでもお気軽にお問い合わせください。
パイピング交換修理の事例はこちら
革修復どっとコムの取り組み
私たちは職人の育成を重要なミッションとして、高品質な修理サービスを提供し続けるため、次の世代の職人を育てる取り組みに力を入れています。
①実践的な練習
傷んだブランド品を安く仕入れ、練習用に使用しています。
これにより、職人たちはリアルな修理経験を積むことができます。
②専門的な指導
経験豊富な職人が新しい職人に対して指導を行い、技術を継承しています。
高度な技術を伝えることで、全体のクオリティを保っています。
③多様な修理実績
ルイヴィトン、エルメス、シャネルなどのハイブランド品を取り扱い、さまざまな修理経験を積むことで、対応力を高めています。
④もったいない精神
日本の「もったいない」精神を大切にし、使い捨てではなく、修理して長く使う文化を広めています。
上記の取り組みとして、以下の方法で職人を育成しています!
染め直し修理のリペア教室(多くの人に感動と喜びを)
委託販売(ブランド名・シリーズ名・真贋教育)
買取します(修理職人育成にご協力ください・技術を次世代へつなぐ)
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沢山のエルメスを修復しました。
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