コーチの「シグネチャー・コレクション」は2001年に発表され、「C」をモノグラムとしたデザインで大ヒットしました。
コーチ(COACH)は1941年にニューヨーク・マンハッタンで「ゲイル」として創業され、マイルズ・カーンとリリアン・カーン夫妻、そして6名の職人が立ち上げました。
元々は紳士向け皮革製品の小さな工房でしたが、卓越した技術で評判となり、次第に名を上げて、1958年に「グラブタンレザー」を開発し、1960年代にはそのレザーで作られたバッグが人気を博しました。
これに伴い、社名も「コーチ(COACH)」に変更されました。
今回は、シグネチャーハンドル付け根が裂けた際の修理方法についてご紹介します。
コーチバッグの修理方法と選択肢
革修復どっとコムにご依頼いただいたバッグは、接続部分に裂け目が発生しており、以下の二通りの修理方法をご提案しています。
- ハンドル交換修理
- 接続部分をカットして中に入れ込む補強修理
今回は、メリットとデメリットをご紹介し、バッグの状態からカット面を整えて中に入れ込む補強修理にて対応させていただきました。
ハンドル交換修理が必要なケースとご了承いただきたいポイント
- 全体的なダメージ: 切れた部分に限らず、バッグやハンドル全体に痛みが見られる場合。
- ハンドルの長さ: 切れた部分をバッグの内部に入れ込んで再縫製を行うため、ハンドルの長さが短くなります。ハンドルの長さが短くなることが懸念される場合は、交換が必要です。
中入れ補強修理が可能なケース
- 部分的な劣化: 全体的に状態が良く、バッグの接続部分のみが劣化している場合。
- ハンドルの長さ: ハンドルが少し短くなっても問題ない場合。
上記の通り、バッグの状態とご要望により、修理方法をお選びいただくことが可能です。
ハンドル交換が必要な場合のポイント
- 色合わせ: 同じ色のレザーを入手できないため、交換しない既存部分に色合わせが必要となります。色合わせをしない場合、バッグの本体と同じ色にならないことがありますが、バイカラーがお好みの場合は問題ないでしょう。
- 納期: レザーの入手に時間がかかるため、納期が長くなることがあります。
中入れ補強修理が可能な場合の利点
- 費用の抑制: 中入れ補強修理が可能な場合、費用を抑えることができます。
- 納期の短縮: 修理にかかる時間が短くなるため、早めに対応することができます。
付け根部分で切れた状態
中入れ補強修理の仕上がり
中に入れ込んで再縫製を行いました。ハンドルの長さが少し短くなりましたが、修理感を感じさせず、オリジナルのデザインを活かして美しく仕上がったかと思います。
修理工程の詳細
接続部分に裂け目が生じていたため、まずその部分をカットして整え次に、カットした部分をバッグの内部に入れ込んで補強し、元の針穴を利用して丁寧に再縫製を行いました。
この方法により、ハンドルの長さが多少短くなるものの、全体的な美観を保ちながら修理を施すことができました。
色合いに特性があるレザーの場合、状態やご要望に応じてお選びいただく流れになりますが、確認したいことや詳細を詳しく知りたい場合、お気軽にお問合せ頂けたらと思います。
コーチの修理について詳しくはこちら
ブランド品修理のブランド別アフター集
革修復どっとコムの取り組み
私たちは職人の育成を重要なミッションとして、高品質な修理サービスを提供し続けるため、次の世代の職人を育てる取り組みに力を入れています。
①実践的な練習
傷んだブランド品を安く仕入れ、練習用に使用しています。
これにより、職人たちはリアルな修理経験を積むことができます。
②専門的な指導
経験豊富な職人が新しい職人に対して指導を行い、技術を継承しています。
高度な技術を伝えることで、全体のクオリティを保っています。
③多様な修理実績
ルイヴィトン、エルメス、シャネルなどのハイブランド品を取り扱い、さまざまな修理経験を積むことで、対応力を高めています。
④もったいない精神
日本の「もったいない」精神を大切にし、使い捨てではなく、修理して長く使う文化を広めています。
上記の取り組みとして、以下の方法で職人を育成しています!
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